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  • May 15, 2016

<シリーズ~本当にイッキミできるデジタル配信~>Netflix「小公女セーラ」で身に染みる…「ダウントン・アビー」からの英国階級制度

ここ数年の間で、英国のドラマがますます人気を博しています。もちろんこれまでも多くの傑作が日本でも放送・配信されていますが、最近は特に「SHERLOCK シャーロック」や「ダウントン・アビー」などの世界的な大ヒットによって、注目度は高まるばかり。

特に、「ダウントン・アビー」では英国貴族と使用人たちの人間ドラマに注目が集まっています。先進国であるイギリス、といえども、身分階級制度はまだまだ根強く残っているという話を聞いたことがありますが、その実態が良くわかりますよね。

実は、子供の頃から私達はこのイギリスの身分制度については、物語を通じて観ていたんですね。

「小公女セーラ」、この作品をご存知の方は多いのではないでしょうか。

こちら日本アニメーションの小公女セーラのページです。

shokojo

インドからロンドンの女学院に転入してきたセーラは、ダイヤモンドの発掘事業を手がける父を持つ裕福な少女だったが、父の突然の死により身寄りをな くしてしまう。学院で特別待遇を受けていたセーラの生活は一変し、メイドと して屋根裏部屋に追いやられてしまう。過酷な労働といじめに耐える日々が続 くが、セーラを慕う少女ベッキーや町の少年ピーターの助けもあり、健気に暮 らしていた。やがて、死んだ父の親友であり、その娘のセーラを探していたクリスフォード氏と出会い、セーラは幸福な暮らしを取り戻すのである。
…というお話。

この「小公女セーラ」昔まだ幼稚園くらいのときに夢中で観ていたことを思い出します。そして今、Netflixで全話配信されており、こちら真剣に見入ってしまいました。そこでは「ダウントン・アビー」もびっくりの英国の身分階級制度が良くわかるストーリーが展開されていくのです。幼少期は単に「セーラがかわいい」とか「この人ムカツク」とか、まだまだそういう感覚しかなかったのですが、今見るとですね、本当に大変…。そしてセーラの大人な生き方にもうびっくりしてしまうわけです。

金持ちの子どもは金持ちに、貧しく育った子どもは教育も受けられず使用人として永遠にこき使われながら生きて行く、という過酷な現実が描かれています。

■セーラを取り巻く大人たち
・ミンチン院長
セーラがインドからイギリスに来て入学したミンチン女子学院の院長先生。淑女教育に力を注ぐ一方で、学校経営者として財産の多い少ないで人物を判断する傾向が強く、お父さんが生きている間は、その知名度・資産を気にかけ、セーラを特別扱いしますが、セーラのお父さんが亡くなり事業破綻という知らせを聞き、セーラが無一文の孤児になるや、その対応は一転、彼女に辛くあたり、暴言まで浴びせ学院の下働きとしてこき使うようになるのです。典型的な自己利益追求型の中産階級な方、というようなところでしょうか。

・アメリア・ミンチン
ミンチン院長の妹さんで、学院を一緒に経営しています。姉のミンチン院長とは性格が違い、穏やかでちょっとミーハーなところもあったりと、わりととっつきやすいような人物。しかし、厳しい姉からの圧政に従わないわけにもいかず、セーラを気の毒に思いながらも何も出来ない…というような日々が続きます。

・セーラのお父さん
最初しか出て来ませんが、素敵なお父さんです。さすがインドで事業を成功させただけあり態度も立派。セーラがまだ幼い時に母が亡くなってしまったこともあり、可愛い一人娘のセーラを本当に大事に愛しています。しかし、少々甘やかし過ぎでは?というほど、セーラの望みをかなえてあげようとします。お父様ご本人も自覚しているようです。セーラに英国で一流の教育を受けさせたいということで、ミンチン女学院へ入学させることにしました。


■セーラを取り巻くこどもたち

・アーメンガード
いわゆる、ちょっとやぼったいんだけど、いい子。容姿端麗学業優秀のセーラに比べてしまうと、ちょっとかわいそうなところもありますが、セーラにとってはミンチン女学院での初めての友達であり、お互い裏表のない真心で支え合っていきます。

・ベッキー
田舎育ちの使用人。最初は何をやってもドジばかりで怒られっぱなし。そんなベッキーをセーラは優しく見守り、「身分は違っても友達は友達」という誠実な態度で接していきます。ベッキーにとっては非常に心強い存在となり、セーラがお嬢様であろうが、使用人であろうが、ベッキーにとってはセーラこそが本物のプリンセス。

・ピーター
ベッキーと同じく労働者階級の男の子。セーラ専属馬車の御者をやっていました。セーラが孤児になってからも、ベッキー同様、セーラのことを「お嬢様」と慕い、セーラがピンチの時にはいつでも駆けつけ、助けてくれるたくましい少年。

・ラビニア
アメリカの石油王の娘でプライドが高い金髪美女。ソバカスもある。黒髪でブルーグリーンの瞳のセーラとは対照的なビジュアルです。セーラが来るまでは自分が学園で一番だったのに、セーラが来てからは身分・学力・人気ともに、ことごとく引けをとってしまい…、とにかくセーラが大っ嫌い。セーラが孤児となり、使用人になってからは執拗に意地悪していきます。

という、キャラクターたちが主に話の中心となりますが、そのほかもセーラの人生に関わっていくキャラクターたちがたくさん出てきます。セーラのその時々の台詞や心のささやきも何とも言えない感じです。Netflixでの配信、観始めるとこれがもう止まりません。セーラだけではなく、むしろ周りのキャラたちの境遇や心境に同情したり、理解を示してしまったり…。これ本当に子供向けだったのか?と、思ってしまう作品です。ロンドンの街の画も美しく描かれています。幼少期に観ていたけどもう一度観たい方、初めての方にも、イッキミ、おすすめです!!


©NIPPON ANIMATION CO., LTD.
Netflix 「小公女セーラ」画面より

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