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  • Dec 02, 2016

12月2日は伝説のオペラ歌手マリア・カラス生誕の日! 12月23日「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」が公開に

オペラファンのみならず、世界中のセレブレティ、アーティストを魅了し続けるミラノ・スカラ座。そのドキュメンタリー作品「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」が12月23日(金・祝)に日本で公開となる。世界中から賞賛と羨望を集めるオペラハウスの最高峰、“ミラノ・スカラ座”。過去、現在、未来…その舞台を踏む偉大な芸術家たちの精神が息づき続ける、まさに「神殿」と呼ぶべき場所。音楽史に燦然と輝く偉人たちを輩出し、今なおイタリア・オペラの代名詞的存在として栄華を紡ぐ歌劇場の全貌を鮮やかに紐解くアート・ドキュメンタリー作品だ。

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世界中で最も名を知られたオペラ歌手と言っても過言ではない、伝説の歌姫マリア・カラス。1923年12月2日にアメリカ・NYで生まれた彼女は、ギリシャ系移民を両親に持ち、幼い頃から母の意向もあり歌手を目指し始める。やがて、両親の離婚により、ギリシャへと移住しアテネ音楽院で歌を学ぶが、ストレスのため過食症となってしまい、内向的な性格をしばし引きずるようになる。

その後プロのソプラノ歌手として活動をスタートさせたのち、徐々に才能を開花させていったカラスは、「アイーダ」で遂にミラノ・スカラ座へ代役として出演。正式デビューは、1951年から52年にかけてのシーズン初日という年間を通じて最も重要な行事で「シチリア島の夕べの祈り」で正式デビュー。その後、スカラ座史上に残る収益をもたらした記念碑的舞台「椿姫」が上演。カルロ・マリア・ジュリーニが指揮し、ルキノ・ヴィスコンティが演出という伝説のタッグで、演目内ではカラスは途中で靴を脱ぎ、客席に投げ入れるなど、当時としては非常に斬新な演出がなされた。

カラスは卓越した歌唱力に加え、エキゾチックな美貌と、物語に感動を与えるドラマティックな演技で、当時のオペラファンを魅了。次第に彼女の公演は王族や大統領、ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーヴといった名だたるセレブたちの社交場となり、映画ではカラスの公演に足を運ぶモナコ公妃グレース・ケリーの姿も捉えられている。

これまでに彼女の波乱万丈な恋愛事情を軸に、その生き様を語るドキュメンタリーは数々製作されてきたが、本作では、当時の様子を伝える報道映像や貴重な公演記録を紹介するほか、俳優を使って歴史上の人物に当時を語らせるという手法をとっている点も特筆すべきだろう。例えば、マリア・カラスをディーヴァへと仕立て上げたファッション・デザイナーのマダム・ビキ(に扮した俳優)は「カラスは別に美人じゃなかった、あの美しさは衣装のおかげ」などと語り、当時のスカラ座の様子を生き生きと活写していくのだ。

世界の歌姫(ディーバ)と賞賛された一方で、「わがまま」「気分屋」といったレッテルを貼られることが少なくなかったマリア・カラス。「完璧な歌を披露したい」――そんな純粋な思いだけでふるまいながらも、歌手人生の後半はスキャンダルの渦中に巻き込まれていった…。

偉大なる音楽家たちを魅了してやまない魅惑の神殿の裏側がいよいよ明かされる。

映画「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」は、12月23日(金・祝)Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー。

監督:ルカ・ルチーニ 撮影監督:ルカ・ビガッツィ「グレート・ビューティー/追憶のローマ」
出演:ダニエル・バレンボイム、リッカルド・ムーティ、マリア・カラス、ルキノ・ヴィスコンティ、プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロティ、ホセ・カレーラス、ヘルベルト・フォン・カラヤン、ルドルフ・ヌレエフ、アルトゥーロ・トスカニーニ、ロベルト・ボッレ、アレッサンドラ・フェリ、クラウディオ・アバド
2015年/イタリア/102分/カラー/原題:Teatro alla scala Il tempio delle meraviglie(原題)、Teatro alla Scala: The Temple of Wonders(英語題) 

© Rai Com – Skira Classica – ARTE France – Camera Lucida Productions 2015

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