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  • Feb 24, 2017

映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』3月4日に日本公開。 音楽が異文化間の相互理解の未来を結ぶ。

『バックコーラスの歌姫たち』で2014年アカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督が、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マに密着したドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』が、3月4日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国公開となる。本作は第53回CAS(映画音響協会)賞【ドキュメンタリー映画部門】受賞、本年度グラミー賞【最優秀ワールド・ミュージック・アルバム部門】を受賞している。

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アカデミー賞の授賞式をいよいよ今週末に控え、賞レースの結果に期待が高まる一方で、今年は映画祭にもトランプ政権の政治情勢が反映される結果になるのではという懸念の声が上がっている。すでに、トランプ政権が実施しようとする移民政策に抗議し、外国語映画賞にノミネートされたイラン映画『セールスマン』の主演女優タラネ・アリドゥスティが授賞式への出席辞退を発表したり、また先月行われたゴールデン・グローブ賞では、メリル・ストリープをはじめ、セレブによるトランプ政権批判スピーチが相次ぎ、今月のグラミー賞でも移民政策へ抵抗しようと呼びかけるパフォーマンスが話題となった。こうした流れを受け、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』はオスカーを最有力視されているものの、インド系俳優デブ・パテルの出演する『LION/ライオン~25年目のただいま~』や、人種や貧困に焦点を当てた『ムーンライト』にも改めて注目が集まり、最後まで賞の行方は分からない混戦模様となっている。

人々が抗議の声を上げる一方、それとは異なった方法で「人種」「移民」「多様性」を見つめ直させてくれるのが、この映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード・アンサンブル』だ。古代の交易路にちなんで名付けられた“シルクロード・アンサンブル”は、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マを中心に結成された国際的な音楽家集団。東西の民族楽器とクラシック、現代音楽が融合し奏でられるハーモニーは、地図上の国境をなくし、多様な文化を一つにし、芸術がさらなる進化を遂げる方法を実証していく。パリで生まれ、自分の意志と関係なくニューヨークに移住したヨーヨー・マを始め、本作に登場する多くのミュージシャンが自由を求め、革命により国を追われ、民族音楽を守るためアメリカへ渡っている。ヨーヨー・マは自分と同じように「自分はどこから来たのか?」「民族とは何か?」という問題意識を抱えたミュージシャンたちを集め、その活動を通じ、個々のアイデンティティの確立と異文化間の相互理解が矛盾しないことを音楽で伝えていこうとする。人種差別を声高に叫び当選を果たしたトランプ政権がアメリカの4年間を率いていくことになった現在、それぞれの映画が放つメッセージに目を向けてみてほしい。

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映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』は3月4日(土)Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国公開。

【映画に登場する曲目(一部)】
「J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007」/「オリヴィエ・メシアン:世の終わりのための四重奏曲」/「サン=サーンス:組曲《動物の謝肉祭》より白鳥」/「サポ・ペラパスケーロ:トゥルケアスカ」ほか
【2015年トロント映画祭出品作品】【2016年ベルリン国際映画祭特別招待作品(ベルリナーレ・スペシャル)】
監督:モーガン・ネヴィル(『バックコーラスの歌姫たち』)2014年アカデミー賞®【長編ドキュメンタリー賞】&グラミー賞【最優秀音楽映画賞】受賞!
出演:ヨーヨー・マ、ジョン・ウィリアムズ、タン・ドゥン、ケイハン・カルホール、梅崎康二郎、キナーン・アズメ、ボビー・マクファーリン
2015年/アメリカ映画/英語/95分/カラー/原題:The Music of Strangers

配給:コムストック・グループ 配給協力:東京テアトル
公式HP:yoyomasilkroad.com

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